COLOR SCHEME

リビング      住まい手の生活理念やライフスタイルが反映される場所

リビングは家族が「憩う場所であり、時には客間としておもてなしをするコミュニーケーションの場でもあります。間取りを考えていくうえで、その住まいの性格を決定する要になる空間でもあるので、すむ人らしさが程良く表れるようなカラーを撰んでインテリア空間を創りたいものです。
また、リビングをダイニングキッチンと一体化し、広々とした空間づくりを提案している住宅タイプも多く、よりフレキシブルに生活空間を楽しむゆとりがもとめられています。

ベーシックでナチュラルな雰囲気

茶系の濃淡で穏やかな変化をもたせたくつろぎの空間を

床、壁は素材を生かし、その床の色に近い木のテーブルを配置して同系で少し明るめのカーテンで部屋全体のバランスを整え、アクセントとして常緑樹のエバーグリーンを飾れば全体的にナチュラルな印象を与えます。日本人の60%の人が茶系・白というベーシックな色を好むと言われます。ベージュやアイボリーなどの同系色を基調に、アクセントで、イエロー、グリーン、オレンジなど明るい色を使うと部屋全体が広く見えます。

同系色でまとめる

 同系の色をベースカラーに濃淡で変化をつけると空間につながりが
 でき、比較的上品でなじみやすくまとめやすいのでインテリアカラー
に多く取り入られます。

アーバンティストでワンランク上の空間を演出

無機質的なグレーをベースに洗練された都会的空間を

白い壁と天井、白いソファなどまとめやすい空間に、グレイッシュトーンをベースカラーにしたスタイルカーテン、椅子張地などに少しだけ装飾性を持たせると、クールな雰囲気の中にも豊かな表情がある空間が演出出来ます。光沢感・レザー・織物など様々なテクスチャーのグレー素材をミックスしたコーディネートで無表情になりがちな空間に豊かな表情を作り出します。クッションには床材にも使われている色のトーンを合わせると、全体的な統一感が生まれます。

・モノトーンの空間にアクセント色を効かす

知性的なグレーカラーをベースにワイン、サックスなどをアクセント
カラーに加えると、メリハリのあるシャープな印象になり落ち着いた
大人の雰囲気が演出出来ます。

ダイニングキッチン        家のどんな場所よりも会話が弾む場所

ダイニング・キッチンは、食事をする場所、料理をする作業場所としてそれぞれ独立するのではなく、リビングにつながる空間として、共に食事をし、共にかたらうなかで人と人とのコミュニケーションの輪が広がる大切な空間です。食事を楽しく、また、美味しく感じる、アットホームで清潔感あふれる空間を演出したいものです。

暖かく若々しいムードで食卓を飾る

オレンジ色の光がより食事を楽しく演出する

キッチンには、明るい陽射しがふりそそぐ爽やかなカーテンが似合います。
白いキッチンに小花柄を合わせると爽やかさに加え、軽やかな印象になり、黄色いチェック柄の
ファブリックは、楽しい食事を演出してくれます。夜には、ダイニングに使われるペンダントから洩れる白熱灯のオレンジ色の光が、食卓をやさしい雰囲気に演出してくれます。オレンジや赤などの暖色系は胃袋を刺激する色なので食欲も増し、美味しく食事をする事が出来ます。

・やさしい類似色でまとめる

類似色を用いると部屋の雰囲気が柔らかい印象になり、アイボリー系は
オレンジ色を引き立てるので、明るく軽やかなイメージにまとまります
食卓には暖かみのある色をそろえるとよりなじみやすくまとまりやすくなります。

和 室        心身に安らぎを与えてくれる日本古来の和みの場所

和室の醸し出す和やかな空気は、不思議に気分が落ち着きます。生活環境が変わり、洋風住宅が主流になっても、この独特な落ち着きの空間は和室ならではのものです。生活用途としての多様性をもつ部屋でもあり、リビングにつながる配置がされることも多くなって和洋のバランスを保つ事が大切です。

自然の恵みがおりなす安らぎの空間

和室のベージュで癒しの空間を演出する

和室は自然の色が表れたアースカラーが貴重となります。檜や杉などの天然素材の色は肌色に近く、部屋全体のトーンが自然とベージュ系にまとまります。中間色のベージュは、筋肉の緊張感をときほぐす作用があり、ストレスを解消して、心身に安らぎを与えてくれる効果があります。障子は部屋に入ってくる光を適度に調節し、空気を清浄化する作用があるので、和やかな印象を与えるだけでなく、人に優しい空間づくりの一助となります。

・天然素材の色でまとめる

天然素材の効果を生かした部屋は、素材のもつ色そのものをテーマに
雰囲気をつくる事ができます。日本の伝統色の濃色はそれだけで
くみあわせが美しく、それぞれの色がとけあって空間を引き締めてくれます。

寝 室             心身を休めゆっくりとくつろぐプライベートな場所

寝室は、一日の疲れをとる大切な空間です。眠るための場所というだけではなく、心身ともにリラックスして、個をみつめ、個を磨く場としてのプライベートなくつろぎの空間でもあります。
夫婦がゆっくりと話し合ったり、ときにはお互いがひとりになって好きな音楽を聴いたりして、
心のゆとりを育む空間づくりを心掛けたいものです。

安らぎとくつろぎ感を与えてくれるやさしい空間

ブルーの効果で優しく包み込むような安らぎを演出

壁、天井、ファブリックには清潔感のある白とブルーを基調とし、同系のブルーの絵をさりげなく飾り控えめな変化を与えると全体的にやさしい印象になります。ブルー、青紫系は気持ちを静めて落ち着きを促す鎮静効果があります。ただ、寒色系の面積が多くなりすぎると冷たい感じがするので、スタンドライトなど小物に暖色系を加え、温度感を調整するとやわらかな変化を与えながら部屋をスッキリとしたイメージに仕上げてくれます。

・反対色をソフトトーンでまとめる

クリーム色とブルー色などの反対色の配色や明暗差が大きい、配色は
コントラストの強い印象を与えるので、色のトーンを和らげて、ソフトな色彩を
取り入れると適度なめりはりのある上品なインテリアになります。

子供部屋              成長とともに作りこみ情緒を育む場所

子供部屋は、子供の年齢に応じて配置や仕様などを変えられるよう可変性のある計画が望まれます。また、成長にあわせて色彩を変化させるのが最適です。初めから住まい方を限定するような設計よりも、子供の好奇心や生活の関心事に合わせ、その時にふさわしい環境づくりをしていくことが大切です。

元気いっぱい好奇心をかきたてる色使い

成長にあわせて明るく活動的な子供室の工夫を

白い壁とファブリックのブルーにコントラストの強い赤や黄色の小物をアクセントカラーとして効果的に使うと、部屋全体に光が溢れるような明るい印象になります。遊びが中心の年齢は原色を好む傾向にあるので、感性を刺激するはっきりとした色使いがよく、勉強が必要な年齢には、集中力を養うブルーなどの寒色系を適度に取り入れると落ち着いた空間になります。壁・床などには合板やコルク板などの自然素材を用いると、精神的な落ち着きが育まれるといわれます。

・反対色のビビットカラーでまとめる

黄色は大脳を刺激し意欲的な気分に結びつくといわれており、子供部屋に
効果的なインテリアカラーのひとつです。
また、活力を発散させるオレンジレッドや落ち着きを育むといわれる
薄い青緑系との反対色の組み合わせも最適です。

玄関                     エクステリアとインテリアをつなぐ空間

人を暖かく迎えいれてくれる優しい雰囲気を大切に

玄関ポーチは、人を迎えたり、見送ったり、身づくろいをしたりする空間です。家の顔の部分でもあるこの空間は、淡い暖色系でまとめるとやさしい雰囲気になります。人は体感温度によって暖色系を見ると躰が暖まり、寒色系を見ると寒く感じます。その体感温度は3度も違うといわれ、ベージュなどの淡いトーンの色を見ると筋肉の緊張が緩和されリラックスした状態になるといわれています。そのため、淡い暖色系は玄関など、暖かさと優しさが必要な空間に最適な色です。また、廊下は玄関の延長ととらえ、玄関と調和し落ち着いた色がよく合います。



サニタリールーム           清潔でリラックスできる場所

心とからだを癒す快適なリフレッシュゾーンとして

健康面や精神面でリラクゼーションを意識した快適空間として、ユニバーサルデザインの視点からも設備についてさまざまな改良がなされています。空間づくりとしては、快適さに加えて、使い易さなどの機能面も考える必要があります。水回り空間なのでブルー系のタイルなどが使われがちですが、人が温度感の少ないと感じる黄緑、緑、紫などの中性色を用いると季節を問わず快適な空間が演出できます。さらに観葉植物などグリーンを置くとリラックス効果が増します。また、ベージュやオフホワイトなどの自然な色も、狭い空間をより明るくし圧迫感を低減してくれます。